【講話者インタビュー前編】9月21日(月・祝)第3回プレモーニングセミナー 能作千春氏

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【講話者インタビュー前編】
9月21日(月・祝)第3回プレモーニングセミナーの講話者 株式会社能作 能作千春社長 に事前インタビューさせて頂きました。
【インタビュアー】
今回のプレモーニングセミナーの講話について連休中の休日の開催にもかかわらずお引き受けいただき、ありがとうございます。当日は県外からの参加者も想定されるため、講話ではまず「能作とはどのような会社か」についてお話しいただけますでしょうか。
【能作千春社長】
ちょうどこのシルバーウィークに弊社の創業110周年を記念したイベントを本社工場にて開催します。9月19日には「勝駒」の醸造を行う清都酒造場の清都浩平氏、20日には引網香月堂の引網康博氏と対談形式でのトークショーを予定しております。富山県出身の建築家・浜田晶則氏によるファクトリーインスタレーションの展示もあり、23日まで開催しています。当日、皆様にも詳しくお知らせできればと思っております。
【インタビュアー】
昨年11月の当会でのご講話もありがとうございました。前回と重なる部分もあるかと存じますが、今回は「つなぐ -伝統と革新-」というテーマでお話を伺えればと思います。
また、本日は女性経営者の方々にも聞いていただきたいと考えております。男女の差は減りつつも特性の違いはまだある中で、「女性経営者」という視点からのお考えをお聞かせください。
【能作千春社長】
私自身、女性経営者として考えていることは大きく2つあります。
1つ目は、ジェンダーをあまり意識していないということです。男性・女性、あるいは子供の有無など、それぞれの人が持つキャリアやバックグラウンドが違うのは当然です。多様な価値観が交わることで、新たな価値やイノベーションが起きると考えているため、基本的には属性を過度に意識しないことを大前提としています。
一方で2つ目として、私自身が立ち上げてきた事業や現在の経営においては、自分が母親である視点や、女性である視点を活かした事業もあります。その意味では、自分自身のバックグラウンドを事業に活かしている側面もあります。一方で、年齢を重ねていく中で、自分自身の感覚や価値観だけでは捉えられないものも増えていくと感じています。だからこそ、年代や性別、キャリア、バックグラウンドなど、異なる価値観をもつ従業員が集い、それぞれの視点や経験を活かせる環境をつくることが、企業として重要だと考えています。
社員にとって、安心感のある「母親のような存在」でいられることは、私自身の強みの一つだと感じています。立場に関係なく、フランクに話してもらえることで、社内の状況を察知しやすく、組織への対応を早めに思考できるという利点があります。
また、主人は子育てに主体的に関わりながら工場長という責任ある立場を担っています。男性も主体的に子育てに関わるロールモデルを主人が作ってくれていることも、大きな意味があると感じています。男性職人の、育休取得率は現在100%ですが、そうしたロールモデルが身近にあることで一人ひとりの選択肢を広げることにもつながっているのかもしれません。女性という枠にとらわれず、ジェンダーレスを含めた「多様な生き方」という視点が大切です。
【インタビュアー】
性別などの違いを理解し、うまく役割分担して補完し合える環境があるのですね。それができないと摩擦が生じがちですが、素晴らしい取り組みです。
【能作千春社長】
人と人なので、行き着くところは「思いやり」だとは思います。ただ一方で、仕事においてスピード感をもって物事を進めていくには、思いやりだけでもいけません。一人ひとりの主張が激しくてもいい。むしろ異なる意見が出ることは組織にとって大切なことだと思っています。ただ、主張の強い人ばかりでも物事がまとまらないこともあります。だからこそ、それぞれの意見を受け止め、うまく中和しながら前に進める人も重要です。
経営における父、主人、私という役割分担もそうですし、従業員たちにとってもそれぞれの個性や強みを活かした役割があります。役割のバランスは、常に意識していますね。
【インタビュアー】
続いての質問です。当会は「高岡の中心から、高岡を元気に」をスローガンに掲げています。能作社長から見て、現在の高岡の経済界や企業の状況、あるいは課題をどのようにお考えでしょうか。
【能作千春社長】
私が高岡の経済状況を語るのはおこがましいですが、「スピード感」は非常に重要だと感じています。時代の移り変わりとともに、その変化の速度は増し、市場も刻々と変化しています。県外や海外で仕事をする中で私自身が痛感していることでもあり、高岡が先んじてスピード感を持って何ができるかを、常に捉え続けなければならないと思っています。
最近感じたことですが、先日大雨が降りましたよね。富山の本社はもちろん、福井や石川、千葉の成田空港にも店舗があるため、スタッフたちの対応に追われました。自然災害という状況下での判断は経営者として非常に悩ましいものでしたが、他の市町村や他県の初動の早さには感心させられる部分がありました。福井では早朝の段階で「道路が通行不能のため、本日の活動は困難」といった公的な発信がなされていました。自然災害や物価高騰など厳しい市場環境においては、市や県のサポートや情報発信のスピードがすごく大事になってくるのではないかと思っています。
【インタビュアー】
県内や市内からの「女性の流出」が課題としてよく挙がりますが、いかがでしょうか。
【能作千春社長】
私自身は、外に出ること自体は良いことだと思っています。一度外に出て、世界や国内の様々な人たちと触れ合うことで、狭いコミュニティに留まるよりも、かえって地元の魅力に気づけたり、シビックプライドを持てたりするのではないでしょうか。引き止める策を練るよりも、外へ送り出すくらいの尖った政策があってもいいのではないかと個人的には思っています。
【インタビュアー】
若者が一度外へ出てから戻るのが理想ですが、「地元に受け皿となる企業が足りない」という声も耳にします。この点についてはどうお考えですか。
【能作千春社長】
それは、地元の魅力を豊かに発信できているかどうかにかかっていると思います。地域の魅力も会社の魅力も、発信力を持つことが非常に重要です。私たちは「100あるものを200に見せる」ため、見せ方や伝え方を工夫をしながら様々な発信を行っていますが、それが巡り巡って雇用の創出や地域や会社を応援してくださるファンを増やすことにも繋がると信じています。
私の夢として「海外でブランドとしての認知を広める」ことを掲げています。なぜ海外展開をしたいのかと考えた時、海外に生産拠点を作りたいわけでも、事業を急拡大して大儲けしたいわけでもありませんでした。最終的にやりたいことは、「高岡の地に雇用する人を一人でも増やすこと」、そして「地場産業を支える人材をもっと増やしたい」ということだったんです。
そのためには、まず世界を知ることが必要です。高岡には自然や食べ物など、魅力的なものがたくさんあります。それを発信できるかどうかは別として、まずは作り手自身がその魅力に気づき、どう伝えていくかを考えることが大切だと思っています。
- - - - - - - - - - 後編に続く - - - - - - - - - -
☀️ 開催概要
日時: 9月21日(月㊗)6:00~7:00(5:30 受付開始)
会場: 射水神社参集殿(高岡市古城 1-1)
参加費: 無料
講師: 能作 千春 氏(株式会社 能作 代表取締役社長 / 高岡市倫理法人会 会員)
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